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【小話】もずくの天ぷらの話

大正区のうるま御殿で、
いつものように沖縄料理を食べていたときのこと。

隣のテーブルに、
たまたまひとりで来ていた女性が座っていました。



なんとなく話す流れになって、
その人がこう言いました。

「もずくって、もずく酢のイメージしかなくて。
天ぷらは、食べたことないです。」



一瞬、わたしは言葉に詰まりました。

え、そんなバナナ。
こんな美味しいものを知らないなんて……

ただただ純粋にびっくりしました。

私にとっては、
沖縄料理屋さんに来たら
当たり前のように頼むし、
家でもたまに揚げる、もずくの天ぷら。

でも、その人にとっては
“知らない料理”だったんだと。



ちょうど、もずくの天ぷらを頼んでいたので、
よかったら、と1つおすそわけをしました。

ひと口食べた彼女は、
「おいしい!」と、素直に声をあげてくれました。

「教えてくれて、ありがとうございます。」

その一言が、妙に心に残りました。



こんなに美味しいもの、
知らないままでも、別に人生困らない。

でも、知ったら、
たぶんちょっぴり嬉しくなって、
人生がほんの少し
豊かになるかもしれない。



「これはもっと発信していかねば」
と、妙な使命感に駆られた瞬間でした。



別に、
知識を自慢したいわけじゃないし、
沖縄を偉そうに語りたいわけでもない。

ただ、
私の中では当たり前だったものが、
誰かにとっては新しい体験になる。

小さな情報でも、
喜んでくれる人がいて、
そこから沖縄のことを
もう少し知ってみようと思ってもらえたら。



もずくの天ぷらは、
その日の出来事として、
心に残っています。

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